日本学術振興会
人文社会科学振興のためのプロジェクト 

公開シンポジウム

クリニカル・ガバナンス
よりよい人間関係とそれを実現する制度のあり方についてー医療の現場から

平成16年9月28日
東京グリーンパレス
(13.00-18.00)


 小野元之学振理事長の開会挨拶に続いて、事業委員会委員長代理として

 京都大学教授 位田隆一先生のご挨拶がありました(写真左)企画委員 城山英明先生

 「個々新しい学問研究の方法を創造するということと、

  人文社会科学全体の隆盛をもたらすということ

  の2面に亘って努力していただきたい」

 余談ですが、位田先生は、9月23日の千姫コンサートに出演くださったソプラノ歌手

 林さんの実のお兄様だそうで、奇しきご縁を感じます

 次に、企画委員会主査 城山英明先生(東京大学助教授)から全体説明がありました。(右手写真)


第1部 基調講演(13.40-15.00)

@「これからの医師患者信頼関係−患者の語りから見えてくるものー」 和歌山県立医科大学医学部助教授 西垣悦代さん

  医療は関係の上に成り立つものである。医師と患者の人間関係は相互的なもの 

  単に医療サービスの提供者、受益者というものではない。

  evidenceのある信頼は、共感的な配慮のある情報伝達によって得られる

  情報コンテンツよりも、情報伝達の背景文脈のほうが日本人には大切である

A「セルフケア能力を高める医療とは」 旭川医科大学医学部助教授 松岡悦子さん 

B「医療現場におけるパートナーシップ−意思決定プロセスにおけるコミュニケーション−」 東北大学大学院文学研究科教授 清水哲郎さん

  communication共有(シェア)することである。バケツリレーとは違う(バケツは渡すと手元にはなくなる)

  向き合う、の他に、同じものを見る、同じものに与かるがある。

@とBは関係性と共感的配慮、シェアリングの重要性を説いていたのに対して、
Aは産婦の個の力に対する自信重視を説いたものであった。
またAとBは医療者主体であった医療の現場から
医療を受ける人主体の医療に転換がおこっている ということを語っていたといえる
わたくしは、医療の場が 医療者と医療を受ける人の協働アクションの場になることが望ましいと思う。
ただ患者の意思を重視とか、患者が主体といわれても、。
生命の危機に瀕した患者には困惑するばかりということも考えられるからである

C「健康保険システムと医療」筑波大学大学院システム情報工学研究科教授 吉田あつしさん


ポスターセッション(15.00-16.30)

コア研究者だけでなく、プロジェクトに関わる研究者たちが広く交流しようということで開かれました。

交流だけでなく、ティームの雰囲気をよく伝えるポスターセッションでした。

この面積にこれだけの文字情報を盛り込めるのか、逆に

これだけの文字でこれだけのイメージを伝えられるのか と、感じ入りました

岡田ティームからは藤田さんが参加。積極的に交流してくださいました

とてもすばらしい企画だったと思います。

       

 桑子PJ 藤田益伸さん   アメリカ学の古矢さん   木村武史さん   科学技術ガバナンス    大賑わいでした  サトウタツヤさんにもらった本   


第2部 パネルディスカッション(16.30-17.50)人社プロジェクト公開シンポジウム

司会 佐藤達哉さん:

 クリニカル(臨床医療)とは 解釈学的な治療ではなく、寄り添ってそばにいて行う治療である。 

 クリニカル・ガバナンス は医学の現場だけでなく、他の分野でも考えられる問題である。

パネリスト:

 佐藤伸彦さん(砺波サンシャイン病院医師)   

 清水哲郎さん(東北大学大学院文学研究科教授)

 M町久美子さん(東京工業大学大学院、助産師)

 平川秀幸さん(京都女子大学助教授)

 吉川学さん(毎日新聞社記者)

 吉田あつしさん(筑波大学教授)


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