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宗教者災害救援ネットワークマップ「被災者受入状況」
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宗教者災害支援連絡会(宗援連)設立の言葉

代表 島薗進

 311日の東北関東大震災(東日本大震災)はマグニチュード9.0という巨大な地震、それに続く町や村を飲み込む津波、そしてさらに原発事故と重なる重荷となって東日本の人々に降りかかりました。

たくさんの方々が家を失い、生活基盤再建の見通しも立たず途方に暮れておられます。また、放射性物質による被ばくの見えない危険にさらされ、退避せざるをえない方々も膨大な数に上っています。

 これらの被災者、避難者を受け入れる企てが全国各地で進められています。被災地から難を逃れてくる方々の受け入れの申し出が諸方面からなされています。住宅や公共施設やその他の空いているスペースを提供して、それを仮の宿として使っていただこうというものです。

 宗教界でもこの被災者、避難者の受け入れがなされ始めています。人が集まる機会が多い宗教施設には、そのための空間が備わっていることが少なくありません。外来者の宿泊が度々なされることもあり、外来者の受け入れの経験も豊富です。

そこで、宗教者による被災者、避難者の受け入れについての情報を提供し合い、さらにその働きを拡充する仕組みを作ってはどうかという声が上がりました。それを受けて立ち上がったのがこの宗教者災害支援連絡会です。日本のさまざまな場にいる多様な宗教関係者が協力し合い、家を失い難を逃れてくる方々の受け入れに力点を置きながら災害支援を行っていこうというものです。

宗教教団が教団組織として行う受け入れも、個々の宗教者グループがそれぞれに行う受け入れもどちらも被災者の役に立つ可能性がありましょう。多様な試みの情報をつきあわせ、お互いの経験から学びあう、宗教、宗派を超えた宗教者の連絡組織として、被災者、避難者、疎開者の助けとなる受け入れを目指します。すでにそれぞれの場で進めてこられた取り組みをネットワークでつなげ、より強力にかつより柔軟にニーズに応じていこうという考えです。

宗教者が中心になって構成されていますので、まずは受け入れができる宗教施設の拡充とその情報提供をすることに一つの力点があります。比較的人手が多いのも宗教界の特徴です。苦しみ悲しみに対する思いやりの心も大切にしたいものです。離れてきた町や村、近しい人たちとの絆を維持するための支援をすることも支えになりましょう。こうした点で宗教界独自の取り組みができるかもしれません。

しかし、この連絡会は宗教者にできることであれば、宗教施設に限らず被災者、避難者の受け入れに役立つ事柄は何でも進んで関わっていくことを目指します。宗教界以外の方々との緊密な協力なしには、このような支援が円滑にできるはずもありません。

初めての企てですが、東北関東大震災(東日本大震災)というこの未曾有の災害からの復興に際して、おたがいの力を出し合って少しでも手際よく災害に苦しむ方々の支援ができますことを、切に願っています。

2011/04/01



2011/4/1更新
   (c)2011 宗教者災害支援連絡会